神経温存前立腺全摘出術について
神経を温存する摘出方法
神経温存前立腺全摘出手術とは、神経を残して前立腺を摘出するものです。
神経を残すのは性的機能を守るためです。普通の前立腺摘出手術の場合、性的な機能は失われてしまいます。
そのため、前立腺の全摘出手術を受けることにためらいを感じる方もいらっしゃいます。
もし、神経を温存することが可能なら、手術を受けたいという方も多いでしょう。
特に、若い方の場合は、男性機能を残すことが重要になります。年配の方では、それにこだわらない方もいらっしゃるようです。
男性機能が残る確立
神経を温存した場合、どれぐらいの男性機能が残るのでしょうか。
従来の神経温存前立腺全摘出手術の場合は、50%から60%と言われていました。50%から60%の方が十分な勃起が得られるわけです。
がんの状態よっては、片側の神経を切除しなければならないことがあります。
その場合には、25%程度の方が手術後に勃起を得られます。
最近は、この手術の仕方も改善され、従来のものより良好な勃起力が得られるようになってきました。
たとえ、片方の神経しか温存できなくても、勃起力を残すことができる場合があります。
温存する神経
前立腺の外側に沿って、2本の神経血管束が走っています。
この2本の中に勃起中枢をつかさどる陰茎海綿体神経があります。神経温存前立腺全摘出手術で温存されるのが陰茎海綿体神経です。
陰茎海綿体神経を温存することに成功すれば、術後の後遺症である尿失禁も早期に解消する(90%程度)という報告があります。
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